大規模修繕工事は、工事項目で大まかに分けると

①共通仮設工事

②直接仮設工事

③下地補修工事

④タイル補修工事(外壁等がタイル仕上げになっている場合)

⑤シーリング工事

⑥洗浄工事

⑦各種塗装工事

⑧各種防水工事

⑨その他建築雑工事の9項目から成り立っております。

前回は「⑧各種防水工事-3改質アスファルト防水工事 常温粘着工法」についてコメントしましたので、今回は「⑧各種防水工事-4塩ビシート防水工事アンカー固定工法」についてコメント致します。

大規模修繕工事では下地及び外壁タイル補修・シーリング打替え・塗装工事が完了したのち、屋上・塔屋・ルーフバルコニー・ベランダ・庇天端等の既存防水層にそれぞれ適した防水工事を実施致します。

今回は塩ビシート防水機械固定工法のみに特化したコメントと致します。

弊社で屋上・塔屋などに施工する塩ビシート防水機械固定工法では、主にアーキヤマデのリベットルーフを使用しております。

リベットルーフの中で最も使用しているのが非歩行アンカー固定「MIH-SGM15」工法です。

本工法を選択するメリットとして、次のA~Dの4つが挙げられます。

「A)下地の種類や状態を気にすることなく被せ防水が可能。B)既存防水層の撤去が少なく済むため防水工期を短縮できる。C)既存防水層の上に施工するため、施工中の漏水事故リスクを低減できる。D)他の防水工法に比べて発生材があまり出ないため、廃材処分費を抑えられる。」

 一方デメリットとしては、既存平場防水層の健全な場所に塩ビシートを点接着させるためのディスクを打ち込む。つまり言い換えるならば、漏水の心配が無い健全な防水層に穴を開けるという点です。

そのため、新築工事を多く手掛ける設計事務所などは塩ビシート防水機械固定工法を選択肢から外しがちになることも事実です。

他の防水工事同様にメンテナンスフリーで10年間の漏水に対する保証を付けることができるため、大規模修繕工事において、主軸として使用される防水工法の一つであることは間違いありませんが、立地や屋上の状況に合わせて選択されることをお勧め致します。

次回は「⑧各種防水工事-5 勾配屋根用シングル葺き防水工事」についてコメント致します。

 

マンション大規模修繕工事のニーズワン

増田 浩二