大規模修繕工事は、工事項目で大まかに分けると
①共通仮設工事
②直接仮設工事
③下地補修工事
④タイル補修工事(外壁等がタイル仕上げになっている場合)
⑤シーリング工事
⑥洗浄工事
⑦各種塗装工事
⑧各種防水工事
⑨その他建築雑工事の9項目から成り立っております。
前回は「⑨その他建築雑工事-駐輪場改修工事」についてコメントしましたので、
今回は「⑨その他建築雑工事-駐車場アスファルト改修工事」についてコメント致します。
マンション駐車場のアスファルト改修工事は一般的な道路のアスファルト工事とは異なり、
「路床・下層路盤」のような舗装の土台を構築するための掘削・敷設は行ないません。
路盤の上層からやり直す工事がほとんどです。
上層路盤は均一な大きさの砕石を敷設し、ロードローラーなどで踏み固めます。
そのあと「基層」という路盤の上に敷かれるアスファルトを敷設致します。
路面に水が溜まらないように排水溝へ向けて勾配を付ける「余盛り」という作業も重要になります。
余盛り後に敷き詰めたアスファルトをローラー等で踏み固める「転圧」という作業を行います。
十分に転圧することでアスファルト工事は完了となり、最後にライン引きを行って全て完成となります。
敷設するアスファルトは透水性の開粒アスファルトというものもありますが、個人的には選択しません。
それは「①舗装表面に砂や泥が詰まり易く数年で機能が低下してしまう。
②骨材が均一でないため、ちょっとしたことで舗装が剥がれることがある。」という2つの理由からです。
密粒アスファルト舗装は最もポピュラーな舗装で、施工が容易な上に低コストで抑えられ、
更にアスファルトが固まるまでの時間が短く、施工当日に乗車可能なため、
個人的にも一般的にも駐車場アスファルト改修工事の際、一番多く選択されます。
マンションの大規模修繕工事が優先されるため、
管理組合にとって駐車場アスファルト改修工事は二の次になってしまいがちですが、
修繕費の計画的な積立を行い、
マンション大規模修繕工事と同時に実施すれば仮設工事が重複せずに実施できるため、
単独で工事を行うよりも安価に実施できます。
管理会社とよく相談しながら長期修繕計画の見直しを行うことをお勧め致します。
マンション大規模修繕工事のニーズワン
増田浩二