大規模修繕工事は、工事項目で大まかに分けると①共通仮設工事②直接仮設工事③下地補修工事
④タイル補修工事(外壁等がタイル仕上げになっている場合)⑤シーリング工事⑥洗浄工事
⑦各種塗装工事⑧各種防水工事⑨その他建築雑工事の9項目から成り立っております。
前回は「⑧各種塗装工事-2改質アスファルト防水工事 トーチ工法」についてコメントしましたので、
今回は「⑧各種防水工事-3改質アスファルト防水工事 常温粘着工法」についてコメント致します。
大規模修繕工事では内外壁ならびに各天井の塗装工事が完了したのち、
屋上・塔屋・ルーフバルコニー・ベランダ・庇天端等の既存防水層に適した
防水工事を実施致します。
今回は改質アスファルト防水工事常温粘着工法(冷工法)のみに特化したコメントと致します。
弊社では大規模修繕工事における改質アスファルト防水工事常温粘着工法では、
主に田島ルーフィングのガムクールを使用しております。
アスファルト防水改修では「臭いと煙」が一番の問題点となりますが、常温粘着工法(冷工法)だと
シートの裏に強力な自着層(ゴムアス粘着層)が施されているため、メリットとして
トーチ工法のようにバーナーで炙る必要がなく、臭いと煙の発生が抑制されるという点です。
デメリットは私個人の主観も含めて2点あります。
『①トーチ工法同様にウレタンや塩ビシートよりも材質が固いので、
立上りの高さが極端に狭かったり、平場(床面)に基礎・臭気筒・配管架台等が沢山あったり、
屋上の形状が入り組んでいたりする場合に重ね張り等の現場加工が増え、
上手く納めることが出来ないケースが稀に発生するという点
②【私個人の主観】施工後に確認したところトーチ工法よりも
接着力強度が弱い感じがするという点』です。
大規模修繕工事において、主軸として使用される防水工法の一つであることは間違いありませんが、
立地や屋上の状況に合わせて選択されることをお勧め致します。
ちなみに既存防水層がウレタン層の場合はトーチ工法も含めて選択出来ません。
次回は「⑧各種防水工事-4塩ビシート防水工事アンカー固定工法」についてコメント致します。
マンション大規模修繕工事のニーズワン
増田 浩二