大規模修繕工事は、工事項目で大まかに分けると

①共通仮設工事②直接仮設工事③下地補修工事

④タイル補修工事(外壁等がタイル仕上げになっている場合)

⑤シーリング工事⑥洗浄工事⑦各種塗装工事⑧各種防水工事

⑨その他建築雑工事の9項目から成り立っております。

前回は「⑧各種塗装工事-1ウレタン防水工事」についてコメントしましたので、

今回は「⑧各種塗装工事-2改質アスファルト防水工事 トーチ工法」について

コメント致します。

大規模修繕工事では内外壁ならびに各天井の塗装工事が完了したのち、

屋上・塔屋・ルーフバルコニー・ベランダ・庇天端等の

既存防水層に適した防水工事を実施致します。

今回は改質アスファルト防水工事トーチ工法のみに特化したコメントと致します。

屋上や塔屋の既存防水層が露出アスファルト防水層の際の

改修仕様として選択される工法です。

トーチ工法とは、改質アスファルトシート裏面の粘着層を高温のバーナーで

瞬間に溶解し、下地やシートを相互に貼り付ける工法のことを言います。

バーナーで粘着層を溶解することにより、溶解した改質アスファルトが隙間なく

既存防水層に密着し、高い水密性を得ることが出来ます。

そのため、一層張りであっても10年間の漏水に対する保証を出すことができます。

メリットとして、塩ビシート防水機械固定工法などとは違い、

平場(床面)において既存防水層が健全な箇所は、

切開・穴あけ等で防水層をキズ付けることなく改修が行えるという点です。

そのため、新築経験の長い設計監理者の方は、

好んで仕様に組むことが多い改修方法です。

デメリットは、ウレタンや塩ビシートよりも材質が固いので、

立上りの高さが極端に狭かったり、平場(床面)に基礎・臭気筒・配管架台等が

沢山あったり、屋上の形状が入り組んでいたりする場合に

重ね張り等の現場加工が増え、上手く納めることが出来ないケースが稀に

発生するという点です。良い防水工法であることは間違いありませんが、

屋上の状況に合わせて選択されることをお勧め致します。

次回は「⑧各種防水工事-3改質アスファルト防水工事常温粘着工法」

についてコメント致します。

 

マンション大規模修繕工事のニーズワン

増田 浩二