大規模修繕工事は、工事項目で大まかに分けると

①共通仮設工事

②直接仮設工事

③下地補修工事

④タイル補修工事(外壁等がタイル仕上げになっている場合)

⑤シーリング工事

⑥洗浄工事

⑦各種防水工事

⑧その他建築雑工事

 

の、8項目から成り立っております。

前回は「③下地補修工事」についてコメントしましたので、

今回は「④タイル補修工事」についてコメント致します。

 

現在、修繕時期に来ているマンションの外壁に使用されている磁器タイルは、

45二丁掛けタイル(45㎜×95㎜)・二丁掛けタイル(60㎜×227㎜)・小口タイル(60㎜×108㎜)・

100角(95㎜×95㎜)・45角(45㎜×45㎜)の5種類が大半を占めております。

タイルの補修が必要となる主な劣化には、「ひび割れ」「欠損」「浮き」「陶片浮き」等があります。

ひび割れたタイル・欠損(部分的に欠けている)タイル・

陶片浮きタイル(接着モルタルからタイル自体が肌別れを起こし浮いている状態)は

ダイヤモンドカッター等で目地に切り込みを入れ、劣化タイルを除去

(タイルが躯体に接着している場合はタガネ等を用いて剥がす)した後、

新たなタイル(新規窯焼きもしくは近似色既製品)を貼り、目地材を詰め、

周囲に付着した目地材汚れを落とし、酸締め(のちに目地の白華を抑止するため)をして仕上げます。

躯体コンクリートから接着モルタルごと浮いているタイルは、タイル目地の交点に

コンクリート専用電気ドリルにて径4~8㎜、深さ(コンクリート躯体表層より)20㎜以上の穴を開け、

1㎡当り25穴(ヨコ5穴×タテ5穴)、もしくは浮きの状態により50㎜~200㎜間隔の穴を開け、

エポキシ樹脂を30g程度注入してステンレス製のネジボルトを挿入します。

注入したエポキシ樹脂が乾いた後、目地材(もしくはエポキシパテ)により

穴埋めを行って仕上げとする施工がオーソドックスな工法となります。

タイルを貼替える際に注意しなければならない点は、

ひび割れたタイルを剥がした躯体部分にもひび割れが発生している場合です。

タイルを貼ることにより隠ぺいされてしまう部分なので、

必ず既存のひび割れをUカットシール処理してからタイルを貼らなければなりません。

施工者である当社では発注者様に説明するに当たり、

細かく工程写真を撮って工程会議議事録や完成図書に残しておく必要があります。

また、特殊面状タイルの面浮きや二丁掛けタイルの浮きは、

注入口付アンカーピンを使用したエポキシ樹脂注入工法を用いるケースもございます。

他にもいくつか工法はありますが、それはまたの機会にしておきます。

 

 

マンション大規模修繕のニーズワン

増田 浩二