マンション(集合住宅)の給排水設備改修工事の修繕計画について①
初めに
マンションは建築ご年数を経過すると修繕工事が必要となります。
塗装、タイル面の補修、鉄部塗装、屋上防水補修など10年から15年周期で大規模修繕工事を実施されます。
同じように皆様の生活に欠かせない給水管、給水ポンプ、排水管なども経年とともに徐々に劣化をしてきます。
水道の断水、給水管の濁り水、水量低下、漏水、排水管の詰まり、漏水など給排水にもさまざまなトラブルが有ります。
給排水設備改修工事の方法、タイミグ、費用、トラブルの事例を解説します。
本記事を読めば、給水設備、排水設備の改修工事の詳細や、どのような時期に実施すれば良いかご理解いただけると考えます。
給水設備について
~給水方式について~
皆様のおへやの蛇口までどのようなシステムで給水されているか?マンションの建築年代、規模で相違が有ります。
ご自分のマンションの給水システム把握も必要です。マンションには下記4つの給水方式が採用されています。
①高置水槽(高架水槽)給水方式
水道局本管よりの給水を一度受水槽に貯水し、揚水ポンプで屋上に設置されている高置水槽まで水を揚げ、自然落下で各ご家庭に給水する方式。
建築後40年経過以前の建物は多くがこの方式です。
●改修が必要な項目、トラブル事例と改修時期の目安
主に強化プラスチックのパネル製 近年はステンレス製もあります。
・パネル接合部パッキン劣化よりの漏水
・地震による破損(東日本大震災時はかなりな箇所発生しました)
・水槽の点検用の蓋の脱落(台風など強風で蓋が飛散してしまう)
・樹脂パネルの場合太陽光紫外線による樹脂本体の劣化
・改修の時期→樹脂製ですと概ね30年
・取り換えの費用→概ね200万円~1,000万円(水槽の大きさにより異なります)
・改修工事での居住者への影響→断水が昼間の工事中に有ります。
※小規模のマンションは高置水槽の取り替えは昼間1日の断水で取り替え可能ですが、中程度規模以上のマンションでは1日で取り替えが出来ず仮設水槽が必要となります。
②受水槽加圧給水ポンプ方式
水道局本管よりの給水を受水槽に貯水し、加圧給水ポンプにて各ご庭に給水する方式です。
建築後20年~40年経過マンションと大型マンション(150戸以上)はほとんど、この方式が採用されています。
近年の超高層マンションもこの方式です。
●改修が必要な項目、トラブル事例と改修時期の目安
主に強化プラスチックのパネル製 近年はステンレス製もあります。
・パネル接合部パッキン劣化よりの漏水
・地震による破損(東日本大震災時はかなりな箇所発生しました)
・水槽の点検用の蓋の脱落(台風など強風で蓋が飛散してしまう)
・樹脂パネルの場合太陽光紫外線による樹脂本体の劣化
・改修の時期→樹脂製ですと概ね30年
・取り換えの費用→概ね200万円~1,000万円(水槽の大きさにより異なります)
・改修工事での居住者への影響→断水が昼間工事中1~2日あります
※小規模のマンションは高置水槽の取り替えは昼間1日の断水で取り替え可能ですが、中程度規模以上のマンションでは1日で取り替えが出来ず仮設水槽が必要となります。
・受水槽には水位を自動的に制御するため、定水位弁が設置されています。定水位弁が故障すると水槽への給水のオバーフローしたり、また渇水になり断水が発生します。
・改修時期→概ね15年周期
・取り換えの費用→概ね20万円~100万円 水槽の大きさによります。
③直結増圧ポンプ給水方式
受水槽などの貯水槽を設置しないで、直接水道局の本管より、途中に直結増圧ポンプを設置する事により、
4階以上の階のご家庭にも、給水圧力を上げる事により給水をする方式です。
約20年以降採用された給水法式です。 建築後40年経過以前の建物は多くがこの方式です。おおむね150世帯程度10階建て位迄のマンションに多く採用されています。
●改修が必要な項目、トラブル事例と改修時期の目安
・改修が必要な項目は直結増圧ポンプのみですので、給水ポンプの項目で説明します。
※給水方式を変更され、屋上の高置水槽を残し、高置水槽まで直結増圧ポンプで給水をされているマンションがあります。
④直結直圧給水法式
水道局本管と建物内給水管を、受水槽、増圧ポンプを使用しないで直接給水をする方式です。
3階建て以下の小規模のマンションに採用されています。
●改修が必要な項目、トラブル事例と改修時期の目安
・水槽もポンプも説地されていませんので、これにかかわる修繕計画は必要ありません。
給水法式変更工事について
より良質の水道水の確保、また給水かかる電力の低減による省エネ、また高置水槽の地震による破損の心配の低減のため直結増圧ポンプ給水法式への変更の改修工事が多くのマンションで実施されています。各水道局も推奨されています。水道局の届け出、許可が必要な工事です。各所轄の水道局の規則に従い、建物内の給水管の改修も必要となる場合が有ります。
地域によっては公共インフラの整備の関係で直結増圧ポンプ給水法式への変更が出来ない場合が有ります。小規模の3階建て以下のマンションでは、直結増圧ポンプも設置しないで水道本管の水を直接給水する直結直圧給水法式の変更も可能です。
各給水法式の良い点・悪い点の比較
高置水槽給水法式
良い点 | 悪い点 |
・水槽局本管が断水しても停電しなければ半日位は水道が給水されます。
・停電でも高置水槽の水で1~2時間は給水されます。 ・大震災の際、受水槽の水が非常用に使できます。 |
・貯水槽の定期清掃が必要です。
・水が貯水槽での停留時間が長く水質の劣化の心配があります。 ・冬季はガス料金にも影響がでます。 ・受水槽、高置水槽の清掃が必要となります。 |
受水槽加圧ポンプ給水法式
良い点 | 悪い点 |
・水槽局本管が断水しても停電しなければ半日位は水道が給水されます。
・大震災の際、受水槽の水が非常用に使できます。 |
・停電の際は即断水します。
・受水槽の定期清掃が必要です。 ・水が受水槽での停留時間が長く水質の劣化の心配があります。 |
受水槽加圧ポンプ給水法式
良い点 | 悪い点 |
・清廉な水道水が供給されます。
・水道局本管の給水圧力も利用されるので省エネとなります。給水にかかる電気料金は高置水槽方式の約3分の1受水槽法式の2分の1程度の低減となります。 ・受水槽、高置水槽の清掃が不要です。 |
・停電の際は即断水しますが3階以下は給水されます。
・水道本管が断水となれば同時にマンション内も断水となります。 ・直結増圧ポンプの定期点検が年1回以上必要です。 ・大型マンションでは採用できません。 |
給水に関係するポンプの説明
小規模な直結直圧給水のマンション以外何らかの給水ポンプが設置されています。ポンプも経年で劣化し断水の原因となります。
高置水槽方式の揚水ポンプ
1 ほとんどの建物が2台1組で設置され自動交互運転の制御がなされています。
2 1台故障しても他の1台で自動運転ができますが、人による切り替へが必要です。
またポンプの故障は多くの場合、水槽の渇水警報、または断水が発生しなければ察知できません。
3 自動交互運転、渇水(水槽の水位低下)警報の発報などの為、ポンプの付近に制御盤が設置されています。
内部にリレースイッチ等の機器が組み込まれています。制御盤内の部品の点検も必要です。
4 揚水ポンプにはポンプ室に設置されている陸置式と受水槽の水中に設置されている水中ポンプの2つの形式が有ります。
●高置水槽方式の揚水ポンプの故障
1 ポンプ本体の故障の際は2台同時に故障する事はありませんので片側だけでの運転にして故障したポンプを取り替える事が出来ます。
陸置式の場合は断水させなくても取り替え可能ですが、水中ポンプの場合は受水槽を空にして作業する必要があるため、断水が発生します。
2 ポンプの故障の原因は付属モーターの故障、ポンプ内の羽が脱落し付近の部品が破損、ベアリングの劣化による破損統様々です。
3 ポンプの基本的耐用年数は15年といわれていますが現実的には20年~30年は使用されれえいます。
4 制御盤内部部品は耐用年数は15年程度とお考え下さい。
●揚水ポンプの取替え費用
建物の規模により使用されているポンプに大きな差が有るためいちがいには言えません。2台1組で取り替える場合は50万円~300万円くらいです。
50世帯程度のマンションの場合150万円程度です。
受水槽法式の加圧給水ポンプ
1 ポンプ2台と制御盤が1つのキャビネットの中に一体で組込まれています。通常は2台のポンプの自動交互運転です
2 1台ポンプが故障しても、自動で故障していないポンプのみの自動運転に切り替わります。その際ポンプの故障の警報が発報し管理室などで受信できる仕組みになっています。
3 ポンプの故障の際、2台一組に取り替える場合は制御盤とものキャビネット全体の取り替えをお勧めします。ポンプ1台のみの取り替えも可能です。
●加圧給水ポンプの故障
1 ポンプ本体の故障の際は2台同時に故障する事は殆どありません。片側だけでの運転にして故障したポンプを取り替える事が出来ます。ポンプの故障で断水してしまった場合は制御盤関係のトラブルの可能性がより高くあります。
2 ポンプの故障の原因は付属モーターの故障、ポンプ内の羽が脱落し付近の部品が破損、ベアリングの劣化による破損統様々です。
3 ポンプの基本的耐用年数は15年といわれています。20年以内には取り替えられる事をお勧めします。
●加圧給水ポンプの取り替え費用の目安
建物の規模により使用されているポンプに大きな差が有るためいちがいには言えません。キャビネット全体を取り替える場合200万円くからです。
50世帯程度のマンションの場合300万円~400万円位です。
直結増圧ポンプ
1 直結増圧ポンプは故障すると断水の可能性が高いため、水道局の規則で年1回以上の定期点検が義務付けられています。
2 ポンプ2台と制御盤が1つのキャビネットの中に一体で組込まれています。通常は2台のポンプの自動交互運転です。
3 1台ポンプが故障しても、自動で故障していないポンプのみの自動運転に切り替わります。その際ポンプの故障の警報が発報し管理室などで受信できる仕組みになっています。
4 ポンプの故障の際、2台一組に取り替える場合は制御盤とものユニット全体の取り替えをお勧めします。ポンプ1台のみ取り替えも可能です。
●直結増圧ポンプの故障
1 ポンプ本体の故障の際は2台同時に故障する事は殆どありません。片側だけでの運転にして故障したポンプを取り替える事が出来ます。ポンプの故障で断水してしまった場合は、制御盤関係のトラブルの可能性がより高くあります。
2 ポンプの故障の原因は付属モーターの故障、ポンプ内の羽が脱落し付近の部品が破損、ベアリングの劣化による破損統様々です。
3 ポンプの基本的耐用年数は15年といわれています。20年以内には取り替えられる事をお勧めします。
4 直結増圧ポンプが採用されてから25年程度しか経過していません。ポンプメーカー等の助言は耳を傾けてください。
●直結増圧ポンプの取り替え費用の目安
1 建物の規模により使用されているポンプに大きな差が有るためいちがいには言えません。キャビネット全体を取り替える場合200万円くからです。
50世帯程度のマンションの場合300万円~400万円位です。
2 定期点検で不具合が発見された場合その都度、部費の取り替えの費用が発生します。
またポンプメーカーではそ経年での部品の取り替えの目安、費用を明示していますので治合わせてみてください。
株式会社ニーズワン