防水工事とは、バルコニーや屋上など、雨にあたる部分の耐久性を高めるためのウレタン防水を塗ったり、ゴムの防水シートを貼るなどが主な方法だ。山口は防水の仕事を、もともとアルバイトで始めたそうだ。若い頃はバンドをやっていて、一般的な就職には興味がなかった。アルバイトで仕事を続けるうちに仕事が増え、独立してもう30年以上のベテランの工事人だ。
「防水の仕事には終わりがないんです」と山口は話す。防水の仕事は、美観や補修の意味合いもあるが、1番の目的は水漏れを防ぐということだ。つまり、見た目がキレイでも、裂けや割れ目がなくなっても、水漏れをしたら工事の目的を果たせない。一切の手抜きを許されない。すこしでも気を抜いた箇所から水は侵入してくる。水漏れがあれば、再度現場に向かってやり直しになる。プロフェッショナルでなければ割に合わない仕事かもしれない。