梅雨に入ってはや1か月、東京では空梅雨気味で、あまり雨が続いた印象が

ありませんね。

このままの状態では久しぶりに水飢饉になりそうな気配。

梅雨が明ければ夏、夏といえば蚊の季節ですね。

ここ数年、蚊の媒介する病気「デング熱」「ジカ熱」が、マスコミで喧伝され、蚊に

対する警戒感が高まっています。

特に「ジカ熱」は妊婦が感染すると「小頭症」の子供が生まれるとして、注意喚起

されています。

また、8月に迫った「リオオリンピック」では、出場確実とされたプロゴルファーが現地

の「デング熱」の流行を理由に辞退発表があったとか…。

さて、蚊の駆除というとまず頭に浮かぶのが「蚊取り線香」でしょうか。

皆さんは「蚊取り線香」っていつ頃からあったのか考えたことがありますか?

江戸時代にはあった?

いえいえ、線香という古風な形状で古くからあったように思えますが、その第1号は

明治22年(1890年)アメリカから入手した「除虫菊」の種苗を栽培し「金鳥香」の

商標で売り出されたのが最初です。

キンチョールでおなじみの大日本除虫菊株式会社ですね。

最初の形状は棒状でしたが、長さが短く燃焼時間が短いため現在の渦巻き状に

明治35年(1902年)には改良されました。

今の様な打ち抜き式(一枚の円盤に渦巻きが2枚重なっているもの)になったのは、

意外と新しく昭和32年(1957年)からです。

「蚊取り線香」といえばその入れ物「蚊遣り器」(写真のような豚の形状のもの)を

思い浮かべますね。

なぜ豚の形状になったのでしょうか?

「蚊取り線香」が生まれる前、江戸時代には蚊を近付けない為に「蚊遣り火」が使われて

いました。

マツ・スギ・カヤの木材片に火を付けて燃し、その煙で蚊を遠ざけ様とした訳です。

(もちろん殺虫性はありません)

その際、お皿の上などで燃してしまえば煙が盛大に立ちすぎて非常に煙い、煙の出口を

小さくすれば良いということで、写真の様な豚の陶器が考案されたようです。

常滑焼の製品は出来も良く、飛ぶように売れたという記録もあるそうです。

その名残で現在まで豚の形状だということらしいです。

江戸時代の蚊取り器(常滑焼) 今の蚊取り器

マンション大規模修繕のオガワリフォーム

工事部 柳澤