只今夏真っ盛り、熱中症の季節です。
炎天下で作業していて、急にめまいを感じたり、意識が遠くなって来たり、しびれを感じたりすると、
誰でも「これは熱中症だろう」と思いますよね。
また、実際倒れた人を見ると、これは熱中症だからその対策「体温を下げる・水分を補給する・
涼しい所で横になる」をしますよね。
しかし・・・熱中症に似た危険な病気かもしれませんよ。
うっかりしていると大変なことになる可能性があります。
熱中症に似た危険な病気を2つ上げましょう。
① 糖尿病による極端な低血糖状態
糖尿病の人は、夏は疲労がたまり体力が低下している所に、大量の発汗で水分が失われ、
体液のバランスが狂って極端な低血糖になる事があります。
のどが渇く、立ちくらみがする、脱力感など全く熱中症と似た症状です。
この様な場合、ただ水を飲ませて休ませるだけでは駄目で、ブドウ糖の補給がぜひ必要で
す。
放置していると死ぬ可能性が非常に高い。
糖尿病の人は常にこのような危険がある事を認識しましょう。
最近は隠れ糖尿病の人も大勢いるので、熱中症の他にこの病気の可能性も考えましょう。
② 急性の脳梗塞
熱中症に似た症状で、一番危険なのはこの病気です。
炎天下で水分が失われ、血液がドロドロになる。
さらに体温も上がり血栓が出来る。
それが何かのはずみで脳内の血管に詰り脳梗塞になる。
というパターンです。
普段から血圧が高めだったり、血栓が出来やすい体質の方は要注意です。
症状も、めまい、立ちくらみ、意識が遠のく、麻痺・痺れ等、熱中症とよく似ています。
実際専門の医者ですら外見だけでは熱中症なのか脳梗塞なのかは良く分からないそうで、
CTやMRIで精密検査をして最終判断をするそうです。
私の経験では、数年前の暑い夏に、昼休みが終わった午後1時半ごろ、ベランダで塗装作業を
していた職人が倒れたと、一社に作業していた職長が駆け込んで来ました。
話によると、急にベランダでへたり込んでうずくまってしまったとの事で、通常は誰が見ても熱中症
と思います。
熱中症なら、涼しい所で休ませ、水分・塩分を取れば時期に回復するでしょう。
しかし、私は何か異変を感じて、意識が戻った職人と、職長と共に近所の救急病院に車で運びま
した。
結果は脳梗塞でした。
処置が早かったので大事にはならず、1か月ほどで職場復帰しました。
熱中症だろうと早合点していたら、命を失うところでした。
異変を感じた理由は、意識を失って倒れ込んだのに、何の処置もしないのにすぐに意識が戻って
歩けるようになった事(熱中症では体を冷やして水分補休をしないとすぐには回復しない)と、体の
半身側だけ軽い痺れがあるという事(脳梗塞では通常体のどちらか半身だけに症状が出る事が
多い)でした。
現場監督としては、このような些細な事にも十分注意して現場管理をしなければならないという事
です。
③ 水分補給はスポーツドリンクを
熱中症(或いは上記①、②の熱中症に似た危険な症状)の予防には、常に水分の補給を
心がける事が肝心です。
大量に汗をかくのだから、それ以上の水分を補給しないと駄目です。
のどが異常に乾くと感じたらそれはもう手遅れで、そうなる前に補給して下さい。
補給するならただの水ではなく、ミネラルや塩分の入っているスポーツドリンクにしましょう。
NHKの実験でも、大量の発汗でドロドロになった血液が、スポーツドリンクを飲むことで
すぐにサラサラになる映像を放映していました。
マンション大規模修繕のオガワリフォーム
工事部 柳澤