工事部スタッフ

温泉に行きたくて

 温泉に行きたかったのですが、行けなかったので温泉っぽい映画を観てきました。

その作品がこちら、『若おかみは小学生』。

題名から分かる通り、そうです、子連れファミリー向け映画でございます。しかし、ですが、それはそれ、素晴ら

しい作品に貴賤はありません。

子供向けアニメ映画ではありますが、脚本から演出から、全てにおいてここ数年の映画でもトップクラスの傑作

で、初見を観終えた際には目からも鼻からもぼろぼろ液体を零し、その翌日はまさに『若おかみは小学生』ロスと

でも言うべき虚脱感に襲われました(なので二回目も観てきました)。

おっこという小学生の女の子が、とある事情から祖母の営む旅館「春の屋」で働く事になり、仲間達と過ごす一年

を経て、しがらみを乗り越えて成長していくというのが大まかなストーリー。子供向けな事もありあまり難しくは

ありませんが、主人公の抱えている問題が問題なので、とにかく様々考えさせられます。

多くの作品では、敵(嫌な奴)がいて、主人公はそれと対峙し、打ち勝つ事で大団円!というのが一般的かとは

思いますが、この映画、嫌な奴が一人もいない。嫌味な態度を取る者もいますが、彼らもまた自分の中で葛藤や

悩みを抱えていて、根はスッゴクイイヤツなんです。でも、だからこそ、主人公や視聴者は重大な問題に直面し

ます。もしも悪の権化のような誰かがいて、裏で悲劇の糸を引いていたならば、その誰かを糾弾する事ができた

でしょう。そうであればどれほど気が楽か。しかし、登場人物は皆普通に生きて、普通に暮らして、普通に悩む、

そんな普通の人間達なんです。故に、主人公おっこが最後に出した結論が、全ての人を幸せにできたのかといえば

そうではありません。私も、あれが最良の答えであったのか分かりませんし、きっと最適解などないのでしょう。

ですが「花の湯温泉は誰も拒まない。全てを受け入れ癒してくれる」、冒頭から言われ続けたその言葉が、何だか

涙腺に食い込んで未だに取れていません。というわけで是非観てください! 

最後の神楽のシーンでは落涙必至です!

マンション大規模修繕のニーズワン

工事部 T.櫻井